2014年06月30日

俺たちの鞠庭(フィールド)*白峯神宮

サッカーが静かになった今こそ!と、蹴鞠の本を読むオバサンです。


腰巻きがワールドカップ意識しすぎー
でも、ここまで書くならサッカーに例えて内容を紹介します


タイトルはズバリ「日本の蹴鞠」。著者は蹴鞠保存会の理事で、最近出版されたばかり。お固い学術本じゃなくて、実際にプレイする者の視点で書かれ、図や写真が多く、文章も平易で大変理解しやすかったです。(英仏文の説明もある)



実際に正式な蹴鞠を見るチャンスは、白峯神宮の奉納蹴鞠や下鴨神社の蹴鞠始め、
御所の一般公開時のデモンストレーションぐらい



もしかして著者がこの中にいらっしゃったかも・・・

先月、久しぶりに白峯神宮を訪れたら、その蹴鞠保存会の方々が境内の鞠庭(まりにわ)で練習中でした。ワーイ!初めて生で見ることができた!

白峯神宮HP

詳しいルールは知らなくても、「毬を地面に落とさずに続けて蹴る」というゲームであることは分かります。ヘディング無しの多人数リフティング。

個人の技量だけでは済まない団体競技、でも勝敗は無い。互いに声掛け~請声(こいこえ)、「あり」「やあ」「おう」の3種をその時の状態によって調子を変えて使い分ける~してパスを渡しチームの「和」を図ります。手と足は違えど、体育のバレーボールの授業や休み時間にやった円陣パスが近いっちゃ近い。


急に毬が来た時の請声は「ありっ」「ありありっ」と鋭い
(英文説明でも「Ari」で、アリーベデルチ!な感じ)


蹴る時の作法は、上半身は動かさず穏やかさを保ち、右足拇指付け根であくまでも「 う る わ し く 」、体に近く低い位置で蹴るのが基本。上体がのけ反ったり左足蹴りは禁物。

正規メンバーは8人。八角形の対角線に添ってパスするのが理想で、蹴った毬は一足(いっそく)、二足と数える。落とさず回数を重ねればいいってものでは無いらしいが、タツジン!ワザマエ!(@忍殺語)の居る世界のこと、何十足、何百足といった過去最高記録が、古文書に記されているかも。


フォーメーションは縮開(つめひらき)と言う

序文には、「優雅に毬を蹴り合う軟弱な遊戯と思われるかも知れませんが、決してそれだけではありません。」とあります。かつては「陸上の水泳」と言われたほど運動量が多く、武道との共通点が有り、古代中国では軍事訓練として行われたとも。


絵馬の図もかなりアクティブ

実際に間近で見てると、典雅な風情とは裏腹に、皆さん息を弾ませ汗を流しています。いくら「貴人は汗をかかない」っても無理ー。よって、江戸時代に定まった正式ユニフォームの毬水干(まりすいかん)は、季節を問わず、風通しの良い夏の生地の紗や絽で単に仕立てられている。


うしろの百太郎は童水干姿

水干と言っても武家の装束の「直垂の上(ひたたれのかみ)」という形式で、毬袴(まりはかま)を履き、烏帽子を被り、毬扇(まりおうぎ)を左手に持つそうな。


戦国大名の正装っぽい毬装束

シューズは、てっきりお内裏様みたいな衣冠束帯姿の黒くて四角い浅沓(あさぐつ)だと思っていましたが、武官が履く靴の沓(かのくつ)とも違う革ブーツタイプのもので、鴨沓(かもぐつ)が正式名称。そら浅沓だと痛いし脱げるわな。


足に履く部分は牛革、革紐を巻いて脱げないようになっている

古典で誰ソレは蹴鞠の名手だった、蹴鞠に夢中になりすぎて職務が疎かになったって話はザラで、剣や弓、水泳、乗馬が必須の武士と違い、全身運動なんて他に無い平安の貴族は、さぞかしハマったんだろうなーと思いました。


女性もOKだから京アニは蹴鞠アニメ作るべき

終日興じる場合、鎌倉時代以降は始めは「基本に忠実にゆうゆうと高く蹴る『』」、次に「いろいろな技を使い華々しく蹴る『』」、日が暮れてくる頃は「毬を続かせるのを目的に毬丈(蹴上げる高さ)を控えて蹴る『』」とし、これを「三段」と称する・・・

エヴァンゲリヲン新劇場版」ですがな。

序破急(じょはきゅう)とは、日本の雅楽の舞楽から出た概念(Wikipedia)








毬はいずれ名のある鞠師(まりし)のお作らしく、「何でも鑑定団」に出てきそうな箱書きも立派な木箱入り。蓋裏に取り付けられた半円に切った板にこよりで固定し、保管時は宙吊り状態で型崩れせぬよう工夫されている。


毬を作ることを「毬を括(くく)る」と言う


毬と毬箱、半円形に切った板にこよりで固定してある

鹿革の丸い本体を馬革で縫い綴じて作られており、製作には技術を要する為に大層高価。一般には入手困難。だもんで、「♪山寺の和尚さんが毬は蹴りたし毬は無し」で、「♪猫を紙袋に(中略)ニャンがニャンと鳴くヨ~イヨイ」と、動物に対する加虐行為にエスカレート。ダメじゃん。

毬の材料であることから、蹴鞠にうつつを抜かす奴を「馬鹿」と蔑む語源説もあって、「鹿を指して馬と言う」の発展形かしら?コノホンタメニナルナー


蹴鞠の碑の左下に毬装束姿



毬の精」が達人藤原成道に語った蹴鞠の御利益ってのが、素晴らしく良いことずくめで、曰く、「国が栄え、出世し、豊かになり、長寿で、病気にもならない上に後世のためにも良い」ですってよ奥様。雑誌巻末広告の「宝くじが大当たりしてブランド物がいっぱいでステキな彼氏が!」「視力がどんどん良くなって背がグングン伸びて成績が上がって女の子にモテモテ!」と同じノリですね。

他にも「足が強くなる、姿が良くなる、成仏できる等々」の「毬の十徳」てのもあって、すごーい!蹴鞠やろうぜ!!!

もっとも先に記したように、逆にハマりすぎて勘当されたり身上を潰すといった「馬鹿」も多く輩出して、「九損一得(くそんいっとく)」と言われたともある。いいことばっかり言う毬の精が、「訊かれなかったからさ。知らなければ知らないままで、何の不都合もないからね。」と、キュゥべえみたいに話したかどうかは知りませんが・・・。


精大明神は毬の精だとも成道が神格化されたとも




古のハーフタイム(?)では、削氷(けずりひ)、甘葛(あまずら)、雪、甘苔畳(あまのりたたみ)、柿浸(かきひたし、干し柿を刻んで酒に浸した発泡酒風)、酒、黒塩等が出され、運動中の水分電解質の補給もバッチリ。日本人の知恵と伝統を感じさせます。


削氷に甘葛(虎屋文庫資料展で再現されたもの)


保存会は月2回程のペースで鞠庭で練習しているそうで、相変わらず球技関係の奉納が充実した社殿と境内は、修学旅行生や観光客で賑わっていました。




高橋陽一先生の新作キター!







崇徳天皇をお祀りする神社なので、「浅見光彦シリーズ・崇徳伝説殺人事件」のロケ地にもなっています。


前回のルポはこちら・・・「鞠(ボール)は友達!*白峯神宮」

  


Posted by いたのり at 23:33Comments(3)

2014年06月26日

妄想ホヅガワ下り*亀岡駅

「京都変なものフォルダ」より。
春に保津川下りの下見に行って発見。(ようやく写真の整理ができた^^;)


保津川下り乗船場方面、JR亀岡駅の北口前の中央分離帯。なんか石がゴロゴロあって立て札があってなんじゃろーと見たら、保津川下りのコースというか「見どころ」を模した枯山水風ジオラマでした。










昨年の大雨で損壊した風のミニ渡月橋、向こうにサッカースタジアム建設予定地の看板


川沿いにある岩や景勝地の他に、土地の伝承も表記されていました。












中には妙に想像力を掻き立てられるタイトルが・・・。



永遠の命が手に入るの?


たぬき岩、かえる岩が可愛い

命を助けられた白味噌や八丁味噌がお礼に来るの?一生ワカメや豆腐に不自由しなくなるとかさあ?




狸の回りが2箇所ある。田縣神社の豊年祭みたいな奇祭だろうか?

狸が多く棲息するのでしょうか。船に乗った有頂天家族的光景が目に浮かぶ。



狐も負けてないぞ!「いなり、こんこん、恋いろは。」の絵柄で想像。

何しろ実際に(保津川下り)したことないから妄想全開っす!

BGMは「妄想ニホン料理」のあの曲




さすがの健脚でスタスタ行ってしまった

終点の嵐山から亀岡まで船はトラック、船頭さん達はJRで戻ってくるそうで、来る時の列車で彼ら一行と一緒でした。





石門心学の開祖 石田梅岩像


駅の観光案内所はかめまるグッズがいっぱい







嵐山のが山深く標高高い感じだし、亀岡は田畑が多く平地ってイメージが強いせいで(イオンも西友もあるしー)、保津川下りのスタート地点が嵐山で、ゴールが亀岡だと、わりと最近まで勘違いしてたのはナイショです。


追記・・・昔話、言い伝えについての詳細がありました。想像と大分違った。(あたりまえ)

京都新聞ふるさと昔話「みそ汁の恩返し」(亀岡市保津町)

  


Posted by いたのり at 22:08Comments(0)